2008年07月10日

13 武蔵の「仏神は尊し、仏神は頼まず」の真意

 孫子の言に、『勝つ可からざるは己に在り』<第四篇 形>があります。一見、分りにくい言葉ですが、つまりは、運動とか活動とかの原動力(原因)は、本来、主体者自身の内側(内因)にあるのであって外部(条件)にあるのではないことを曰うものです。

 このゆえに脳力開発では「自分で主体的にやる姿勢をつくろう」、「人頼りの姿勢は止めよう」の習慣作りを重視しております。

 とは言え、このように極めて平凡で当たり前のことはともすれば「分っている」「知っている」つもりになってすっかり意識から抜け落ち、忘れられてしまう、という結果になり勝ちであります。しかし、現実世界では、平凡なことを、平凡に実行することが何よりも絶大な偉力を発揮するのです。

 言い換えれば、「自分で主体的にやる姿勢をつくろう」、「人頼りの姿勢は止めよう」の指針は一見、平凡に見えて実は極めて奥深いものがあるのです。

 そのことを別な角度から言うものが、彼の宮本武蔵が自誓の言葉としていた「仏神は尊し、仏神は頼まず」です。

 つまり、孫子の『勝つ可からざるは己に在り』<第四篇 形>と、脳力開発の「自分で主体的にやる姿勢をつくろう」と、宮本武蔵の「仏神は尊し、仏神は頼まず」とは相互に密接な関係があるということです。

 ことの背後に隠されている本質的な要素をキチンと弁(わきまえ)えることは兵法を学ぶ上で極めて肝要であります。

 このことにつきまして、弊塾サイトの「孫子時評」で詳しく論じておりますので、興味のある方はご覧になってください。


孫子に学ぶ脳力開発と情勢判断の方法
http://sonshi.jp/


<お知らせ>

 孫子塾では現在、「戦略思考ができる日本人育成塾」と題するセミナーを月二回のペースで開講しております。

 日本は今、好むと好まざるとに関わらず、まさに第二の黒船とでもいうべきグローバル化の大変動に直面しております。

 日本人がこの激動の時代を生き抜くためには、平安末期から明治維新に至るまで日本を領導してきたいわゆる「武士の思想」を戦略思考の原点と捉え、真摯に学び、自己変革する必要がある、というのがその趣旨であります。

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posted by 孫子塾塾長 at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 孫子
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